※エドワード(♀)は軍とは関係ない一般人。一応お嬢様。
ロイとエドワードは幼馴染で同い年(29)
初めまして、僕はケイン・フュリーです。軍において曹長の地位についていて日々頑張っています。
いつもは東方司令部で働いてるんですが、今、僕がいるのは病院だったりします。
実は先日のテログループの討伐で僕の上司、マスタング大佐が肩に怪我を負ってしまい、
僕はそのお世話係だったりします。
恋に気づいた幼馴染な二人(29)
ちなみに現在、同僚のハボック少尉は大佐の病室で警護中。そして僕はさきほど司令部で
大佐の代わりに指揮をとってるホークアイ中尉と電話で色々と連絡をとり終わって病室に帰るところ………
「あなた軍の方よね。」
「………え?」
突然後ろから声をかけられ振り向く。
するとそこには、人形のようなハニーブロンドの巻き毛に同じく髪とお揃いの色の瞳を持った
いわゆる美少女、がちょこんと立っていた。
一見、人形かと思ってしまう容貌だが、遠めからでもわかる長い睫毛が目の動きと共に
ぱちぱちと動いているところから生きた人間だとわかるくらい少女は整った顔立ちをしていた。
どこかからの風に吹かれて、これまたお人形さんが着ていそうな白いふんわりとしたワンピースが揺れている。
(わぁ……お人形さんみたいな人だなぁ)
初めて見るくらいな美人に見惚れていると、少女は焦れた様子で
「マスタング大佐はどこに?」
「えっ?!」
僕が驚くのも無理はない。マスタング大佐がこの病院に入院していることは警護の関係で秘密事項だからだ。
「何?なんで知ってるの?って顔ね。そんなのいいだろ、とにかく早く案内しろ!」
「えっ、わ。は、はいぃ!」
結局。 急に威圧感を増した彼女に脅され、泣く泣く僕は大佐の病室に案内してしまった 。
あぁ情けない。
*******
バンッ!
勢いよく開かれた病室の扉にハボックは瞬時に銃を構える。が、
「こんの馬鹿ロイィィ〜〜〜っ!!」
そんな怒鳴り声と共に扉から飛んできたのは………、 白いレースの鞄。
「なっ、なんだぁ?!」
飛んできた小さな鞄に驚く少尉が扉に目を向けると、
そこには目に涙を溜めた少女が顔を真っ赤にしていた。
「………どなた?」
「もぅっ!心配したんだからなっ!馬鹿馬鹿、馬鹿ロイっ!」
「ちょっ、落ち着いて嬢ちゃん。」
「……そうだぞ。とりあえず落ち着きたまえよ、エドワード。」
えっ?っときゃんきゃん一方的に騒ぐ美少女を宥めようとした時。
てっきりベットで寝ていると思っていた上司が喋ったもんだからハボックは驚いた。
「うるさいなぁっ。こっちはあんたの心配してやってんだぞっ!」
わぁーん。と、とうとう泣き出した少女は今度は勢いよく上司に突進したではないか。
「あっ!ちょっ、大佐はケガ人なんすよっ!」
っと焦って止めようとしたがもう遅い。少女が上司の腹にダイブしていた。
「うぅ〜。よかった。ロイが生きててっ!」
「…大袈裟だな、君は。こんな怪我、可愛いもんだ。」
「怪我に可愛いもなにもあるのかよっ!ばっかじゃないのか!馬鹿ロイ!」
涙が止まらずわんわん泣く少女、エドワード。
「あぁ、もう……。」
うるさいなぁ。とそんな小さな言葉をロイが漏らしたと思ったら、
「きゃっ、……ん、んんっ!」
ぐいっ。と頭の後ろを手で押され、口を彼の口で塞がれていた。
そんな二人のキスシーンを勝手に見せ付けられたハボックと扉付近にいたフュリーは唖然とするしかない 。
「……っ、はっ!」
息苦しさから解放され、男に寄りかかって息を整える少女と優しく少女の頭を撫でる上司。
あれ、なんだろうこの甘ったるい雰囲気は。
「あの―……。」
「ん?なんだハボック。」
「そちらさんはどなたですか、ね。」
「……!」
途端にハボックの存在を思い出し、真っ赤になるエドワードが可愛くてしかたない。
そんなロイはくすりと彼女の赤く染まった耳を見て笑う。
「私の、幼なじみだよ。」
今のところはね。
と、にやりと笑う上司。
そんな、恋の始まりを見せ付けられた。哀れなハボック少尉とフュリー曹長であった。
おしまい。
↓もうちょい二人の苦労は続く。
*******
「えーっと、初めまして。ジャン=ハボックです、階級は少尉っす。」
「ケ、ケイン=フュリーです!…階級は曹長で、す………。」
あの熱烈なキスの後、大佐はすぐにまた眠りに就いてしまったため(実は完徹3日目だったのだ)場所を待合室に移して、
大佐の幼なじみというこの女性と俺達は現在対面している。
「…初めまして。エドワード=エルリックです。」
「…………」
沈黙。
「……あの、マスタング大佐とは幼なじみだと伺ったんですけ、ど。」
「そうだけど…何。」
「あ、……いや。」
中尉ほどではないが、大佐のもとについて数年はたった俺達だ。しかし一度も大佐の幼なじみなんて聞いたことがない。
そんなわけで、未だになんだか幼なじみというこの女性が信じられないでいるわけで……。
っていうか。
(なんで俺達睨まれてるんだ?!フュリー!)
(わ、わかりませんよぅ……っ)
「話はそれだけ?私、軍に用事があるので失礼するわ。」
「へ?そうなんすか?」
しかし彼女はそんな俺の質問に答える時間も惜しい様子でソファーから立ち上がり仕度をし始める。
「だってこれから退役手続きをしなきゃいけないもの」
えーーーっと、退役手続きって……。
「一応、お尋ねしますが……どちら様の?」
嫌な予感がひしひしする。
っていうかこの状況から行って彼女が誰の退役手続きをしようとしているのかなんて誰にでもわかるだろう。
ちなみに隣のフュリーなんかはすでに無言でカタカタと震えていたりした。
「あの馬鹿大佐に決まってんだろ。」
((あぁ、やっぱり))
そんな予感的中で呆然としていると、すでにガチャリと扉を開く音。
「………ちょっ!待ったぁっ!お嬢さんっ!」
慌てて止めに入ったものの、ギロリと睨まれてしまう。
「なんだよ?」
「そんな勝手に退役手続きとかっ。大佐が許すわけないでしょうっ。」
「ふん。そんなあいつの意志なんて関係ないね!俺が親父についてシンに行っている間に士官学校に入って、戦争行って……。今回も帰国そうそうにあいつの大怪我を知って!もう我慢できないっ!」
キーキーまた喚きだした彼女に俺達は宥めることしかできない。
「ま、まぁ…とりあえず落ち着け。な?」
ポンポンと彼女の背中を優しく叩いて落ち着かせる。
「お嬢ちゃんの気持ちもわかる。だけど、本人の気持ちを聞かずに勝手行動すると、きっと後で後悔するぞ。」
「………あんた、さっきから嬢ちゃん、嬢ちゃん呼んでるけどなぁ、……馬鹿にしてんのかっ?!」
「は?だってお嬢ちゃん、まだ18、19そこらだろ?」
「……俺は、も、う、29歳の……立派なレディだーーーっ!!
そんな大声が病院で響き渡ったのだった。
今度こそおしまい。